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技術ロードマップ(Technology Roadmaps)

 


ヒット カウンタ  

since 2001/1/1

定義

米国の大統領科学技術顧問を務めたこともあるIBMの元チーフ・サイエンティストであるルイス・ブランスコムは、「技術ロードマップ」を"a consensus articulation of scientifically informed vision of attractive technology futures"と定義している[1]。仮訳すれば、「科学的知見による裏付をもった魅力的な技術の未来像についてのコンセンサスある表現」とでもなろう。重要な要件は、「科学的知見に裏付されている」という点と、「コンセンサスある表現」という点である。

通常、特定の技術分野や特定のプログラムに即して作られる。また、時間軸に沿って表現され、しかも定量化し得る指標等によって各段階の特徴づけを行う形で作られることが望ましい。

なお、「科学的知見に基づく云々」といっても、未来像であるからにはそれまでの各段階における選択によって変化の余地が生まれることは当然であり、未来像が複数の選択肢に分岐することもやむを得ない。

 

 

その作成

いうまでもなく、その作成にあたっては、関係分野の技術者、科学者をはじめ、場合によっては政策当局者まで含めたメンバーの間の活発な討議に基づいて作成される必要がある。ある技術の開発者サイドと利用者サイド、素材と加工手段、製品技術と製造技術、というように、一つの技術開発領域を多面的に代表する参加者の関与が不可欠である。一言でいえば、対象となる技術分野のステークホルダーの英知をできる限り糾合する、という体制が必要である。

また、コンセンサスある表現といっても、それは単なる意見の算術的・機械的な平均であってはならず、活発な意見交換の結果として作成されるものでなくてはならない。

 

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その効用

技術ロードマップは、

  • 一つの技術分野に関連する多数の関係領域の研究開発グループが開発戦略を討議する場合

  • 政策選択における優先順位を討議する場合(撤退の決定も含めて)

等の各局面で、有益な共通理解の枠組み、対話の土台を提供することができる。

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実例

技術ロードマップのモデルを作ったのが、半導体技術ロードマップである。最初に開発したのは米国の半導体開発コンソーシアムであるSEMATECHであるが、その後これに欧州、日本、そして韓国の半導体業界も加わってSEMATECH Internationalとなり、今日では、「世界半導体技術ロードマップ」(International Technology Roadmaps for Semiconductors: ITRS)と呼ばれている。現時点で最新の版は1999年版である。⇒http://public.itrs.net/

これに続いて、米国の様々な業界で技術ロードマップが作成されている。以下に数例を示す。

 また、日本や欧州、アジア地域でも様々な分野で作成されている。

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【脚注】

[1] Lewis Branscomb edited (1998), Investing in Innovation, The MIT Press, p.477-478. 

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© Yoshiki Mikami 2001      last updated 2001/03/15

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